アニメ伊藤

アニメ伊藤
アニメの予告を観ていると面白そうだったり面白そうじゃなかったり、観てみると予想とは全然違うアニメで最初にこのアニメが面白いって言い出したのは誰なのか分からない状況がネットでは続いており、阿鼻叫喚の地獄の蓋が開いているので、アニメ公式サイトはピクシブやニコ動みたいにタグを付けたらどうだろうか。
『百合』『おっぱい』『バブみ』『アイドル』『コメディ』『エロ』等。そこまで考えてそれは伊藤計劃の『ハーモニー』じゃんって気付いた。
実際製作者がよかれと思っていた展開が視聴者にはダメージがデカすぎてネットで罵詈雑言を撒き散らすくらいならいっそのことタグ付けもいいかもね。
でもまあ、そうすると今度は視聴者が「舐めんな」って怒るんだろうな。


京都にいってきた
友人と一緒に京都にいってきた。友人が仕込み杖(傘)などを買う。ぼくは古書店巡りですかね。古書店組合のパンフがネットにアップされててそれを参考に足を運んだんだけど、パンフの地図には「なんの専門店なのか」全く書いてないから無駄足を踏むこと多し。美術書とかはぼくの範囲外だからな。基本、いい古本屋っていうのは「自分の求めている本がいかに安く売られているか」だと思うんだよね。
ブックオフとかフランチャイズ方式の店だと幅が広いし、本以外も置いてあるし、値段も画一化されてるから、厳しくはないんだけど、本当の古書専門店って本当に「そのジャンル」しか置いてないから自分に関係ないジャンルの古書店だとあまり魅力を感じないし、本の価値も、相場すらも全く分からないんだよね。

古本屋の後は二条城などに桜を観に行く。土産物屋がやけにワンピースとか銀魂とかとコラボしたグッズがあるから何事かと思ったんだけど、京都は新撰組関連があるのか……。

車で行ったのだが、個人的には京都旅行は電車やバスを利用したほうがいいかもしれぬ。

GJ部』クリア
仲間内でダべっている時にふとした瞬間に遭遇する「バチッと全員の気分が合致した気持ちのいい瞬間」を全十二話でとことん貫いてしまった。
一部の人達から「中身がない」「箱庭」と揶揄されてしまう日常系。しかしこれらの作品がどうしてもひっかかってしまう人達も存在するのだ。いくら『エヴァ』や『ガンダム』が凄かろうが、それは日本の同時代に生きていたからで、これがアメリカというかアフリカに持って行って受けるというかと言えばはてなでしょう。そもそも『エヴァ』だって『ヤマト』世代からは当時疎まれていたのだし『まどマギ』だってガンダム世代にいい印象を持たれていない。「よく分からないけど、よく分かる」同じ土地の同時代というのでしょうか。『GJ部』そういう「日常系」がひっかかってしまう人たちは観て損はなし。


先月から今月は精神的に辛かったので映画観てないなあ。帰宅したら速攻寝て早朝に起きてシャワー浴びて出社とかそんな感じ。休日はひたすら寝る。

ロマンポルノ版
町山智浩さんが『狂った果実』は結構洋画に影響を与えている、的な事を言っていたので観る。んが様子がおかしいので確認してみるとぼくのはロマンポルノ版だった。しかしロマンポルノの傑作らしいので視聴続行。
暴力がセックスの暗喩だというのはなんとなく。ただそれだけでは片づけられないなにかもある。中上健次の『蛇淫』を思い出した。そんなこというと文学畑のひとが怒るの?

捜査が楽しくなる
ロボコップ』2014年のリブート。マーフィーがロボコップになる手順が丁寧になってる。倫理的。というかいきなり記憶を奪って現場に放り込み、牢屋のなかでアルマイトに盛ったベビーフードを食わせていたバーホーベンがひどすぎるのか。そのバーホーベンの呪いと言うか、そういうのから抜け出したいのはなんとなく感じた。主観だけど。
ヒットさせようとしたらバーホベン版のコピーをすればいいわけじゃん。丸写しじゃないですよ。でもやっぱりジョゼ監督は自分のロボコップを作りたかったような気がします。バーホーベン版みたいなものを期待して集まった観客に対しても。
どっちが勝ったんだって「勝ち組、負け組」みたいなゲスな話になるとバーホーベンにジョゼ監督は勝てなかったけど。そもそも「勝ち組、負け組」って二対項目で判断するのってあれ嘘ですからね。アジテーターが作った造語みたいなもんですよ。
でないと「なんで彼奴は金をそんなに稼いでる訳じゃないのに生き生きしてるんだ」「どうして彼奴は金を稼いでいるのにいつも辛そうなんだ」って状態に説明がつかないじゃないですか。

結果としては、ぼく的にはあんまり面白くない映画になりましたけど。まあ、雇われ仕事みたいなもんじゃないですか。ジョゼ監督が次になにを撮るのかは気になります。だってwikiで『ロボコップ リブート版』の記事を読むと素人でも分かるような滅茶苦茶な制作環境じゃないですか。特に脚本関連は。
あんまり沢山映画作ってる監督じゃないですし、ぼくも『バス174』しか観てないんですけど、すごくいい映画なんですよ。『バス174』今でも記憶に残ってるくらい。
バスのジャック事件をドキュメンタリーで撮った映画なんですけど、観てない人はよければ観てみてください。「『ロボコップ リブート』と同じ監督なの?」って吃驚すると思います。
だからぼくは『ロボコップ リブート』は失敗だったけど、ジョゼ監督はそうじゃないと思います

最強のブルース・リー、ドニーさん
『レジェンド・オブ・フィスト』ドニーさん映画。ブルース・リーが下積み時代、グリーン・ホーネットのカト―役として(当時中国では主役のヴァン・ウィリアムズより、ウィリアムズの助手役のブルース・リーが演じたカト―に人気が集中しており「カト―・ショー」と呼ばれていた)活躍した黒装束に黒マスクの男の恰好をドニーさんがリスペクトを込めて身に纏う。いや、なんかね。イケメンが新しい格闘技を使って活躍するだけでドニー支持者としてはそれだけで新鮮に映ってしまうんですよ。車のなかに突進して車内で身動きの効かない相手をボコるシーンは爽快でした。

アルカード映画
『夜の悪魔』アメリカへ田舎からアルカード伯爵がやってくるがこれが偽名。本当の名前はドラキュラ伯爵。アルカード(字幕では「アロカード」表示)はDRACULAの逆さ綴り。ALUCARD。という訳でたぶんこれが最初のアルカード伯爵映画。影の使い方がムルナウの『ノスフェラトゥ』っぽかったりシナリオにも工夫がしてある。蝙蝠や霧からドラキュラに変身するシーンにアニメを使ったり、沼からドラキュラ伯爵がスーッと浮かび上がってきたり、太陽の光を浴びると白骨化する伯爵など、人形の蝙蝠を糸でぶら下げていただけの31年の『魔人ドラキュラ』とくらべて12年の特撮技術の躍進を感じる。

ハムナプトラの元ネタ
『ミイラ再生』最初のハリウッドミイラ映画。いきなりチャイコフスキーの『白鳥の湖』が冒頭で流れるが、これ、トッド・ブラウニング監督の最初のハリウッド製ドラキュラ映画『魔人ドラキュラ』でもやってたよね。いい加減な。というか時代がおおらかでテキトーだったんでしょう。結構悪夢的な映像が多い。D・リンチが『イレイザーヘッド』を撮るときに「白黒の方が想像力が刺激されるからカラーにしない」っていう選択がベストだったのはこういう映画を観るとわかります。これカラーだとあんまり不気味じゃないと思う。かといって1932年のハリウッドにはカラーフィルムなどある訳はなく、白黒用に施されたメイクと白黒フィルムしか選択肢がなかった当時の思わぬ効果というやつでは。


今回の百合!
缶乃さんの『サイダーと泣き虫』が華やかでいいんですよ。缶乃さんは雰囲気だけで勝っている百合作家。奇をてらうことなく、ストレートに甘い百合を描く。とにかく綺麗な花束を集めて、そこにケレンミのあるデコレーションをする訳でもなく、とにかく綺麗な花を一杯集めて豪華な花束にしてある感じ。
百合不足で「とにかくふわっとした感じの百合が欲しい」とかいうふわふわしたいい加減なリクエストを出している疲れた百合好きにお勧め。
犬丸の『演劇部の魔女と騎士』とTONOの『ピンク・ラッシュ』も良かった。この二作品、とにかく無駄なセリフを削いでいって鋭利なナイフのようなセリフが多いのが特徴。その辺は「ガチレズ大井bot最高」って言ってたらしい小川一水も『魔女騎士』の解説で指摘してある。絵のタッチも自然とそうなっています。多少、厳しくてもいいからびしっとした百合が読みたい、というひとにお勧め。百合のシュチュエーションをたっぷり再現しつつ、鋭い台詞で読者をえぐるのはなかなか。