アニメ化決定!『絶品!らーめん娘』

絶品! らーめん娘漫画アニメ化ネタ

絶品! らーめん娘(1) (ヤンマガKCスペシャル)

絶品! らーめん娘(1) (ヤンマガKCスペシャル)

恋愛ラボ』買いに書店に行ったら売り切れなんですよ。なんで急に? とか思ってたら宣伝のタペストリーが下がってるんです。
恋愛ラボ アニメ化決定!」

ふざけんな。いままで見向きもしなかった癖にアニメ化決定でバカ売れか。なんか「ゆゆ式」も一部でそんな感じだよな。
つーか、「ブラクラ」アニメ化が決まった時も本屋いったらねーちゃんがまとめ買いしてたぞ。
ライフハック系ブログの連中も「ヨルムンガンド」アニメ化決定した途端に「良作だ」
「全巻まとめ買いで一気に読破。すごい!!!!」

とかいいやがって。漫画はお前らの評価を上げるための道具じゃねーぞ。ナメんなよ。
アレか。アニメ化したらその作品は傑作か。見向きもされなかった作品がバカ売れか。

だったら「絶品!らーめん娘」もアニメ化したら売れるよな! 傑作だよな!

以下、「僕の考えたアニメ版「絶品!らーめん娘」はこうなる!」です。

ちなみに「らーめん娘」ってなに?っていうひともいますよね? それは当然です。
以下、解説サイトにリンク貼ったからまず先にそこを読んでください。

無駄話様。「なぁ…これってラーメン屋の意味あるか?」
http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20121117/p1

近代麻雀漫画生活様。「「絶品!らーめん娘」は虚無の作品である」
http://blog.livedoor.jp/inoken_the_world/archives/51935749.html



用意はいいかな? じゃあ、はじまるよ!

  • 「らーめん娘」アニメ化決定!  

まずアニオタの間で「らーめん娘」アニメ化の噂が流れます
いままでタイトルすら知らなかったアニオタは騒然。当然です。そういう作品です。
なぜアニメ化の運びとなったかは不明です。世の中には科学で説明がつかないことが沢山残っています。
ロドス島の巨像。ダイオウイカの生態。世界は謎に満ちています。

ともかく次いで制作スタジオ、監督、脚本をはじめとしたスタッフの情報がネットで流れ始めます。
アニオタはさっそく邪推を開始。ちなみに原作を読まずに作品全体を評価したがる向きも流れとしてあります。
その場合、彼らの邪推の鍵となるのは「スタッフ」

「この監督は古いので少し心配」「このスタジオはラブコメが得意だ」「脚本家はあの花○十輝か虚○玄」

色々な噂が流れますが、「絶品!らーめん娘」はただ二人の姉妹(とくに末っ子のひかり)がエロいことをさせられて、最後に主人公がちんちんを擦られた末に射精するだけのコミックスなので内容、ビジュアルはスタッフに左右されません

また「原作レイプ」の懸案が提出されますが、この作品に限ってはレイプされたほうがいいです。

次に声優が発表されます。新人を起用したり、ベテランを配したりしますが、基本、三人姉妹と男ひとりのキャスティングなので特に配役に意味は発生しません。
しかし虚構の世界で遊びたいアニオタは色々な意見をWebで発表。
「らーめん娘はアイマスのキャストと被っている」「熟練と新人を組み合わせる制作サイドの意図」
等、続々と意見が飛び交います。

書店では片隅にかろうじて置かれていた「らーめん娘」は平積みになります。ポップも全国の書店に展開。
しかし現時点で三巻敢行なので見栄えがあまり良くありません
また出版社もそんなにアテこんでいないので小さな手書き風のポップが配布される程度になります。
しかしアニメ化ということでアニメに熱心な一部のアニオタは購入に走ります。
アマゾンでも入荷待ち状態。ここで評価がざっくり分かれます。
エロコメのクズ」「面白い」など多種多様な手によって評価がなされます。
深読みしすぎたアニオタは「よく分からない」というよく分からない評価を下します。

一方でエロければなんでもいいという欲望に忠実なアニメファンは原作を買いに走ります。やっぱり原作もエロ展開ばかり。
学生の間で評判になって売上アップにつながります。

多分、アニメ化の時点で一番儲かって、一番被害をうけるのは作者の友木一良先生です。

「らーめん娘」アニメ開始!  

放映されると同時に一部のアニメファン、特に若年層は混乱に陥ります。コアな漫画オタはそれなりに作品をこなしているし「らーめん娘」の悪評は聴き及び、読んでもいるので「当然だな」と楽しむ姿勢にはいります。

「この作品はどうやって楽しめばいいのか」
「展開があまりにも不自然」
「主人公の行動はDVを超えてネグレクトの域に達している」
「エロとおっぱいだけでストーリに目がいかない。やりすぎ」
「らーめん娘は零年代に発生した日常系に属する。いつまで経っても告白しない主人公は90年代のひきこもりであり、
攻めに走るひかりは零年代以降のサヴァイヴァリズム」
「らーめん娘は20年前のエロアニメスタイル。ヒーロー復権に反する」
「らーめん娘のエロシュチュはエロゲーが元ネタ。ひかりは妹キャラ」

様々な議論がブログ、ツイッターで湧きおこりますが、原作の友木はそこまで考えて描いてないので、ファンではなく原作者の友木が一番混乱します。

この期に及んでもまだ原作を読まないアニメファンは「らーめん娘」が面白くない理由を監督や脚本、制作の責任にします。
「ラーメンという料理をよく理解していない」「エロコメの面白さを伝えていない」
「らーめん娘」を批判した一部ブログが炎上します。本当は誰も悪くありません

  • 聖地を探せ!関連グッズを売れ!  

「らーめん娘」は原っぱの中心に建っているバラック小屋同然の「ラーメン珍竹」からほとんど一歩もでません。
聖地特定は不可能です。

とりあえず企業はラーメンをコンビニとコラボして売ろうとしますが、劇中のラーメンはみた目は普通の家庭で作れるラーメンと同じレベルです。
というか、この作品は射精をするだけでラーメンを食べません
味も分からないのでコンビニはコラボの方法が見つかりません。
伊藤園あたりがキャラのキーホルダーを「おーいお茶」あたりに付属させて売り上げアップを計ろうとします。
しかし、「らーめん娘」の娘達は裸エプロンにどんぶりを持っている姿がデフォルト
マスコットのデザイン開発部は会社のイメージと「らーめん娘」のイメージの擦り合わせに精神を削ります。
とりあえず「ギャグ」的な意味合いで宣伝をして売りに出しますが、一般客からは苦情が。

  • 東京都青少年健全育成審議会が動き出す! 遂に警察も!  

投書あるいは電話による通知によって「らーめん娘」が東京都青少年健全育成審議会にかけられます。
いままでは全く目立っていなかったのでスルーされてきた「らーめん娘」ですが、現今の日本ではアニメ化だけでもムーブメントです。
目ざとい良識派、自称識者が動きます。動くんだったらアニメ化の前にしろよ。早速、合議が行われます。判定は「シロ」
画風があっさりしすぎている上に稚拙すぎるのでエロコメの域に達していません。

フランチャイズ方式ラーメン店の女性店員が暴行未遂されます。たまたま居合わせた店の客に救出されました。
犯人が捕まり、「衝動的にやってしまった」と自白。
しかしマスコミは「「らーめん娘」の悪影響」として取りあげ、「らーめん娘」に夢中になっているファンにインタビューをとります。ネットも騒然。無関係説から影響受けた説まで様々な憶測が氾濫します。

  • 「らーめん娘」映画化!  

変な騒がれ方をしたので話題にのぼった「らーめん娘」に実写化のオファーがはいります。監督はおいしい仕事だったらなんでも引き受ける本広克行か、とにかく実写化だったらなんでも引き受けてしまう三池崇史が候補に。
しかし三池が「らーめん娘」を担当するとエログロなんでもありな三池は原作のエロをそのまま再現したがるので却下
映画をホームドラマのレベルにダウンさせる本広が「こいつだったら毒を抜いてくれるだろ。まあ、デートムービに変更してくれるんじゃない?」という理由から採用されます。
本広は撮影を開始。俳優にイケメンとアイドルが選ばれます。しかしあまりにもイメージから乖離した姿にファンは怒り狂いません。
「えっ? あの役をやってくれるの?」「全然違う内容でもいいよな」「役者人生終わりにしたいのか」
次々と同情の声が寄せられます。

本広はオシャレっぽくてカッコイイ映画にしたがります。あと押井守からパクる真似も怠りません。
しかし押井が「なにを元ネタにしているか」「なにを訴えているのか」は相変わらず把握していないので劣化に終わります。
しかも「らーめん娘」なので喰い合わせは最悪です。
あ、「サイコパス」に夢中になっているみんな、ごめんね。オレ、映画ファンとして本広は許せないんだ。
多分「サイコパス」が面白いのは総監督以外のスタッフが優れているからです。

スポンサーがつきまくりでフジテレビ協賛お台場でイベントまで敢行され、めざましテレビでも紹介された揚句に無意味に海外ロケまで敢行した「らーめん娘」映画は評論家、一般客に酷評されて終わります。

映画化に併せて小説版「らーめん娘」も出版されます。内容は原作、アニメ、映画、どれともリンクしていません

  • BD一巻発売!  

アニメ版BDが予約から発売へ。売上厨の出番です。しかし会社は最初から作品に期待していません。
初動売り上げの目標達成数も低く見積もって、イベントも抑え目。限りなく少ない生産数が品切れしてくれたら恩の字みたいな感覚で売ります。勿論、そんなマイナスイメージ戦略は外部に漏らしません
当然、一部で品切れが発生。企業のネガティブ戦略を知らない純真な売上厨はさっそく攻撃を開始。
「読みが甘い」「購入層のニーズに応えきれていない」
制作会社は「らーめん娘」に関しては製作費を回収できてSSランクと考えているので売上厨の勝手な憶測だけが飛び交います。
一番困るのは小売店やネット通販ですが、デカイ会社は自分の下位に属する販売店のことなんか考えていません。

アニメ化されると同人誌がつきものですが、原作の段階で同人誌とそんなに変わらない展開なのであまり意味がありません。
一、二個程度のサークルがそれでも同人誌を売りに出しますが、売れません。オタグッズ通販会社に委託されますが、アニメがアニメなので一部サークルは委託を断わられてしまいます。
会場でコスプレをするひともありますが、基本、ネタ狙いです。水着をエプロンの下に装着しています。

またメディア大賞候補になぜかあがってしまいます。単に話題作りのためだけなのですが、アニメファンは戦慄します。
売り上げだけは高いので書店員の目にもつきやすくなってマンガ大賞」ノミネート

  • 大手ブログでdis!  

大手ブログ、特にライフハック系は奇をてらった記事を書くか、共感を得られる記事を書くかでブクマ、アクセス数アップを狙います。
さっそく色んな意味で話題になっている「らーめん娘」に手を伸ばしますが、惑乱させられます。
素直に「クズ」と書けばいいのですが、良識派の読者の手前、そうはいきません。下手に評価をするとネットでの自分の価値が下がってしまいます
傾向の似ている名作と比較してこき下ろしたり、古典を引き合いに出して持ち上げたりします。
このへん、僕のサイトの自虐はいってます。
またライフハック系も基本オタクです。虚構の世界で物語作って壊すのが好きなので
「アニメ化される作品だからと期待したが裏切られた」「日本のアニメ文化は世界に問えるレベルに達したか。いやこの作品を観る限り達していない」
とか書きます。その一部はWeb新聞やWeb雑誌、まとめサイトにも掲載されて煽られます。

意識高いブログはなんでもかんでも社会と関連付けて書くのをよしとしますが、「らーめん娘」は社会とコミットしていません。
とりあえず頭の悪い展開と登場人物を槍玉にあげて
現代日本の教育水準の低さ」「珍竹は田舎にあるようだが、やっぱり田舎は文化水準が低い」「いやらしい行為を強いられるひかりは障害者では。発展途上国の現状と同じ」「らーめん娘をたのしむのにたったひとつだけ重要なこと」
等の記事を書きます。

作品解析にもはいりますが、あまり内容がないので内容が極端に少なくなります。
記事を書くものの、ブクマもアクセスも稼がないまま、消費されます。

コアなアニメファンは作画面で評価しようと試みますが、手コキ、おっぱいを揉むなど下品なシーンばかりなので迂闊に手がだせません。勇敢なブログ
「○○作画監督の手コキ演出」「乳首の色にみる表現の自由さ」「サドルのない自転車の錆がリアル」
などのタイトルをつけた記事を書きます。

結局すべては徒労に終わります。次の新しい獲物をブロガーは探し始めます。
誰も悪くありません。

情報に長けているブックオフはアニメ化に目をつけます。高価買取を開始。店のチラシの先頭に「らーめん娘」があがります。後続する古書店も高価買取を実施。いままで読み終えればさっさと売っていた「らーめん娘」購入層ですが、価値がついてしまったような気がしてなかなか売れません。一方、それなりに判断力のあるひとは速攻で売りに出します。
「らーめん娘」は「話題作」の棚に並び、ご丁寧にもビニール包装がなされます。
値段も350円から400円にアップ。勿論セール対象外です。放送終了後、大量に余った「らーめん娘」は100均のコーナーへ。

  • 友木先生、インタビューを受ける!  

これはリアルに見てみたいし、掲載された雑誌も読んでみたいですね。

  • アニメCD発売!  

KOTOKOCooRieELISAあたりがほっこりした感じのOPを歌わされます。EDはニコ動でインディーから賞金をかけて募集します。
契約は一回きりで報酬=賞金なので後腐れがありません
キャラソンも発売されますが、作品の内容だけに電波ソングとして扱われます。
カラオケはJOYSOUNDにかろうじてOPだけが登録されます。

  • 「らーめん娘」放送終了  

いつものようにはじまり、いつものように終わります。それで最終回です。全12話。
二期はありません。アニメファンからはこきおろされます。アニメファンは来期のアニメの話題に忙しくなります。
熱心なアニメファンは歳の暮れに年間ランキングを行いますが「らーめん娘」は記憶から抜けおちています。
一部でカルトな動きが発生しますが、直に自然消滅します。
コミックスは相変わらずです。ただし無意味に100万部を突破しました。アニメ放送中に新刊が出版されました。アニメDVDはついてきません。テレビ版の轍を踏みたくないからです。ドラマCDがかろうじてつきます。
ただし、ひかりが喘いでいるだけの内容なので、AVやエロコミが買えない学生の間で評判になります。
TMAがコスプレAVを制作しますが、裸エプロン以外のシュチュエーションが「らーめん娘」には存在しないので制作する意味がありません。普通の裸エプロンで足ります。
風俗関連、パチンコで「らーめん娘」を模した看板が街に姿をみせますが、知名度が低いのですぐに消えます。

原作は各漫画ブログでdisられるという変則的な愛を受けながら細々と連載を続けます



これが僕の考えた「絶品!らーめん娘」のアニメ化です。
「そんなに酷い作品なの?」というあなたは原作を読んで判断してください。意外と面白いかもしれません。
とにかく「このアニメはクズ」とかいっていられなくなります。
いまの日本は良作のアニメに恵まれ過ぎています。自分がいかに贅沢な環境にいるか確認して下さい
そうそう、アニメ化で原作が買えないはなしでしたよね。
まあ、原作読まずにアニメ批評するよりはずっと評価の下し方としてはオタクとしてはいいと思いますよ(どっちだ)。
あと、この記事を書いている最中、読み直した「らーめん娘」の破壊力に圧倒されました。これだけ記事が書けるのですから僕が考えているのよりも、すごい作品なのかもしれません。

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