歌の翼に。花澤香菜さま『claire』
- アーティスト: 花澤香菜
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2013/02/20
- メディア: CD
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これは実に中島愛様以来のことです。天使カナエル。属性は智天使あたりで。階級は二階級。存在理由は淫夢な声で男性を惑わす。
いや、このアルバム聴く前はね、癒し系だと思ってたんですよ。違いますよ。むしろエロ。
なんかね、声優とかね、アニメにあんまり興味ない人がアニメに接近して人気集めようって運動が活況を呈しているっていうか、調子に乗ってるじゃないですか。
声優とかアニメはオシャレとか勘違いして、つーか、そう錯覚させようとして人気集めようとしてるの。
「ToLoveる ダークネス」とか「閃乱カグラ」「おにあい」あたりの、確実に頭オカシイ女が群がるアニメを作為的に無視してる具合から、その辺の事情は判るじゃないですか。
確実にQ・タランティーノとかSWシリーズ周辺と同じ文脈。
花澤さまもそういう文脈で語られてた。「渋谷系」とか。違うよ。アニメ声優だよ。
「花澤香菜」でググったら関連するキーワードがこれだぞ?
どこに渋谷とか存在してるんだよ!
ツイッターとかでのアニメの花澤キャラの扱いはこうなんだよ!
え?ちょっと酷過ぎるって?この程度、こんなブログに来ている人達にとっちゃ、愛ですよ愛。
とにかくそんな世間に疲れてちょっと敬遠してたんですよね。
そしたら試しに聴いてみたらね。エロいの。
車のオーディオプレイヤーで再生したのが初聴きなんですよ。
一曲目が再生されるじゃないですか。
一曲目は『青い鳥』ね。中二っぽく表現すると『蒼い禽(アオイトリ)』?まあ、いいじゃないですか。ともかく軽快なメロディーにのって花澤さまの優しい歌声が流れてくるのね。ああ、癒し系だなって思うじゃないですか。
ところが3分30秒あたりでいきなり香菜さまが「語り」に入るんですよ。
迷い込んだ森を抜けると そこは一面の大草原が広がっている 遠くから聞える鳥の声 さあ、もうすぐ きっと!
えっ?あっ!?……なんでいきなり一曲目から「語り」にはいってくんの? 普通そういうのは中盤、終盤とか、そのへんだろ?
しかも解釈のしようによっては僕と香菜さまの関係を確認し合う(読解の仕方によってはちょっと猥雑な)セリフもならんでるじゃないですか。
ありゃ、絶対僕に語りかけてますよね。画面越しの僕の香菜様への愛が、スカパーのアンテナ通してテレビ東京あたりに逆受信されてるんですよ。
僕はね、これでも音楽に関しては硬派な訳。声優ソングも聴きますけれどね、基本、インダストリアルとか、デスメタルとか、あのへんの、三日くらい風呂入ってない状態でアクセラレーターをキメて、アルコールに依存しつつ、鬱状態でノイズに混じって絶叫してるのとか、まあ、そういう穏やかじゃない、どちらかというと危険な状態を聴いて育ってるのね。
ボンジョビとか、マリリン・マンソンとかロックを偽装したあのあたりの資本主義の犬には目もくれない。
歌詞には絶対にFuck、Destroy、Revolutionこの三大要素入ってるのが当然。
基本、ブッシュはクズ。
親父とガキの両方ね。超大国アメリカの行き過ぎたグローバリズムには反対。
iTuneとかずっと聴いてると耳が腐ってくるからなるべく避けたい。コレしかないから仕方なく使ってやってる、みたいな。高音強調し過ぎで、低音が全然ダメダメ。
そういう高二病をこじらせた思考回路なんです。
そんなパンクなこと夢想しながら流してるとね、打ち消すように『melody』とか流れてくる訳。
好き 嫌い 嘘 ホント
とか連呼してくるんですよ。なぜか「嫌い」の部分だけちょっとビクついてる声なんですよね。
このあたりでもうエロ認定ですよ。花澤さまってアニメでも守ってあげたい系のキャラ多いじゃないですか。
ちょっとMっケのある、守りたいこの笑顔近辺の。
Mっケがもうエロいのね。
この時点で狭い車中には膨大な量のエロエーテルが充満しちゃってる状態なんですよ。自分がいかにちっぽけで無力な存在であるか、という動かしようのない事実が宇宙的恐怖を伴なってひしひしと迫ってくるんです。
エロいなって思いながら拝聴を続けているとね、「好き」とか時々入って不意打ちを喰らわせてくるんですよ。
終盤の『おやすみ、また明日』でもね、
あと もういっかいお風呂にはいるとか ただお布団でごろごろするとか?
とかまた僕に語りかけてくるのね。「風呂」と「蒲団」ですよ。
なにこのエロワード。キャー!
しかもこの「語り」は歌詞カードに全然記入されてないんですよ。なに?このサービス精神旺盛な癖に妙にストイックという倒錯具合は?
もう全然ツボですね。元気になってきますよ。癒されるんじゃなくて、もっとこう、色んな属性が付与されてる萌えキャラとゲーマーズのエロゲーの棚で鉢合わせしてしまった瞬間のような。
妹キャラで表現すると「おせっかい」「幼馴染」「眼鏡」「触手」「おもらし」「ノリツッコミ」あたりが一人のキャラに凝縮されてる感じの。
ファースト、セカンド、サードを飛ばしていきなりフォースに行っちゃった感じ。第四種接近遭遇。
アビゲイル博士もハダシで逃げ出しちゃう。信じるかどうかは、あなた次第。
結論としては、行き過ぎた文明は自ら滅亡を早める危険性があるってところですかね。
このアルバムは資本に搾取されているアニメ業界からの警鐘かもしれない。