「まおゆう」を料理しよう!「放課後のトラットリア」

漫画 橙乃ままれ 水口鷹志 放課後のトラットリア アニメ 

放課後のトラットリア 1 (メテオCOMICS)

放課後のトラットリア 1 (メテオCOMICS)

やばい、オレ百合好き過ぎる。と思ったのでした。
「放課後のトラットリア」読んで百合キャラ出てきたりするといい作品に思えてきたりしたから。

んで「トラトリ」なんですが。なんで「トラトリ」読もうかな衝動に捕われたかっつーと、アニメの「まおゆう」観るのと原作の「まおゆう」読むのがほぼ同時進行だったのよ。
んで、俺の独自の価値観の問題なんだけれど、橙乃ままれって文章のバランス悪いように見えるのね。
一番の問題はこのひとの文章で書かれると、「まおゆう」なんか、ものすごい合理主義ガチガチに見えてしまうのよ。
これ読んだひとは西洋近代思想主義者は支持するだろうし、割り切るのが嫌いなひとは不完全な機能重視の合理主義に見えるだろうなと。
でも一部の文章ではものすごくエモーショナルな訳です。
そりゃ手前、キャラの願望じゃなくてままれの願望じゃねーのとか。ままれが勇者とまおうに萌えたいんだろうとか。

んで録画したアニメ観てたら、それはそんなに悪くないというか、面白い
アニメスタッフがエモーショナルな部分肩代わりしたり、余計な部分を削ったり、説明が長かったらキャラ動かしながら喋らせるとか、そういうビジュアル面で補助してるのが巧いなあ、と。
だったらままれは原作者ってポジションでシナリオ書くとか、漫画の原作すりゃいいんじゃねーのかって思ってたのよ。出会い→ドキドキ→バトル勃発あるいは萌え、のストーリー書くのはうまいから。たぶん、このひとはゲームテキストで育った人だと思うので、そのへんの掴み具合はいいのよ。だからなんか読者の反感買うような箇所は担当なりがスプリクトドクター的なあんばいで打ちあわせの時に削るとかね。
そんな妄想してたら「トラトリ」の一巻出たし、読むべえと。

やってることは「まおゆう」と一緒なんですよね。中世ファンタジー世界の異文化交流。異文化による革命。革命っつーと、アレック・エンパイアが来日ライブの時に「反原発」のプラカード掲げて叫んでて、そういうの連想するひとも多いと思うけれど、まあ、普通にDVDからBDに変わったとか、CD購入がネット購入になったとかそういうのも革命な訳です。
既存体制を新しい勢力がひっくりかえすっていう行為全般をオレは革命と呼んでもいいと思うのね。
「トラトリ」は料理を起点に異文化革命やりましょうって話です。
それで懸念事項のままれの臭み的な要素をどう料理してんのかなあとか読んだのですが、いいんじゃないですか。
アニメの「まおゆう」の時みたいに漫画がうまく触媒になってますよ。
まだままれ臭いかなってところはあるんですけれど。だけれど基本的にままれって「どんな思想も極めるところまで極めて突き抜けたら別の価値を持つ」っていうのを承知してるんです。まおうゆう原作にそういうセリフあったよ。誤読でなければ。
だから「トラトリ」の世界、歴史改変にしたって、ままれ独自の考え方が極まってバランスのいい改変に影響すればそれでよかんべえ。バランスのいい改変っていうのはまあ、読んだ人10人中9人が「まあ、いいよね」って思えばそれでOKってオレは考えている程度の曖昧なもんなんですけど。
料理っていう身近な材料をもってくるのも「まおゆう」よりとっつきやすい。

それにしても「まおゆう」や「トラトリ」読んでて激しく感じる90年代、80年代の日本ジュニアノベルファンタジーアニメの意匠は強烈。
異世界に抜け出た先で貴族に救われるのとか、動物が人語喋って人間種と共存してるとか、80年、90年代っぽいなあって思ってしまった。
もちろん、海外ファンタジーが原点なんだけれど、日本にそれを流行らせたのは確実に80、90年代のアニメ文化だし。
アニメスタッフも判ってたんじゃないかしらん。黒騎士のデザインとか、最終話の騎馬戦とか。あ、俺はいま劇場版のアルスラーン戦記を観てるんだって感覚。
「まおゆう」と「トラトリ」読んでて感じたのは、全編に渡って手を広げているのは中世を描いたファンタジー映画、小説のディティールではなく、中世を描いたアニメのデザインだから。
他のラノベ、漫画でもそれは当然あるんだけれど、ままれはちょっと読んでる方が恥ずかしいというか、我が身の恥ずかしさみたいな部分がある。それはノスタルジーでもあるんだけれども。
ヤマグチノボル先生はストパンノベルの「スオムス」書けてたから「ゼロの使い魔」でもその問題はクリアしていただろうし、「SAO」は見事に脱臭されていたし。
自称、聖フランシスコ幼稚園卒業の謎生物。テキスト投げまくりマクロ、とか、「橙乃(妹)」とかって90年代から勃発した面白テキスト系サイトとか同人誌サイトの文脈じゃんとか思ってしまった。


懐古厨が「あの頃の同人サイト」を作ってみました。10年前、中二だった貴方へ
「毒花ノ密に誘われた蝶は、睡るが如く堕ちて逝くーー」
http://psd.tumabeni.com/

右クリ、無断転載禁止と、キリ番部屋のイラストがすげーツボ。



メイド長、もといセキレイさんに優遇されるといいね、まほろさん。

追記:一晩経って読み直してみたら、自分の文章からひどい攻撃性を感じた。かといって発言を全否定するつもりでもないし。
書き方の問題もあるだろうし。
とすれば、これは僕がままれに対して持っている「優等生」に対する「劣等生」のひがみかもしれない。
うーん、僕は嫌なやつだなあ。スマン星人。この記事はそのまま残しておきます。

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